最終更新日 2013年7月31日

隠れマルコフモデル


観測値は隠れ値の時系列が起因して観測されているとします


隠れマルコフとは観測できない隠れ値の状態に起因して観測値が現れていると考えます。
このモデルは観測値から隠れ値の遷移確率を推定します。

隠れマルコフモデルは観測値の時系列から下記の確率を求めます。
Π  初期の隠れ状態の確率
M  隠れ状態の遷移確率
F  隠れ状態から観測値になる出現確率


計算例

隠れ値は3種類の状態を仮定します。

観測値は252日の株価で@〜Dの5個の状態とします。


隠れマルコフモデルで隠れ値の遷移確率と観測値の出現確率を計算し、隠れ値の内容を推定します。

計算結果


Π 初期の隠状態の確率

隠状態1隠状態2隠状態3
0.000000.000001.00000

隠れ状態は状態3から始まることが示されています。



M 隠れ状態の遷移確率行列

隠状態1隠状態2隠状態3
遷移後の隠状態10.913220.086780.00000
遷移後の隠状態20.055560.944440.00000
遷移後の隠状態30.000000.016950.98305

隠れ値の推移確率行列からは異なる状態になり難い事を示しています。



F 隠状態から観測値(株価帯域)への出現確率行列

隠れ状態
観測値隠状態1隠状態2隠状態3
低域0.000000.000001.00000
中低域0.000000.182810.00000
中域0.000000.802830.00000
中高域0.932580.015890.00000
高域0.067420.000000.00000


隠れ値と観測値の関係から

隠れ状態1であれば観測値は中高や高域になる事を示しています。
隠れ状態2であれば観測値はほぼ中域でですが上下する可能性を示しています。
隠れ状態3であれば観測値は低価格に留まる事を示しています。


隠れ値の状態は一旦変遷すると長く続き、隠れ値の状態1〜3は観測値の高〜低になることが示されています。